ヴラダン・コチ被災地支援コンサート |
<ヴラダン・コチ 震災被災地支援コンサート 震災から1年 プラハより希望の調べ>
逗子、横浜、武蔵野の三箇所でコンサートを開いて、東北各地での被災地支援演奏活動の費用を作りだすという。
仙台(尚絅学院)、七ヶ浜、石巻(石巻栄光教会)、登米(錦織バプテスト教会)、三春での各コンサートについては、鎌田實さんのこちらのブログに情報が記されていたので、そちらをご参照されたし。プラハでコチさんと語らう鎌田さんの写真も載っている。
コチさんについては何も知らなかったが、インターネットで調べたら、昨年アムネスティ・インターナショナルの設立50周年記念として、コチさんのコンサートツアーが行われたことがわかった。その情報の中に、次のような一文があった。(PeaceMedeia より)
ヴラダン・コチ氏は、チェコのチェリストで、かつて共産主義政権下のチェコ・スロバキアで「国家とソ連、大統領に忠誠を誓って全ての敵を殺します」という文書への署名を拒否したために投獄されました。
アムネスティは、コチ氏を「良心の囚人」として救援活動をおこない、89年の民主化運動「ビロード革命」で、コチ氏は釈放されました。コチ氏は「この時、自らの音楽の半分を社会のために捧げると決心したと」、後に語っています。
コチ氏は、プラハ音楽院の他、韓国、マレーシアなどの音楽大学マスターコースでの指導に加え、ヨーロッパでの演奏活動で多忙な中を、アムネスティのチャリティコンサートのために来日して下さいます。
一昨日のプログラムのメインは、ドヴォルザークのピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」だった。
ヴァイオリンは娘さんのルツィエ・コチさん。背のすらりと高い美しい女性。
ピアノは有吉英奈さん。プラハ音楽院で勉強された若いピアニスト。
ドヴォルザークを弾く前に、コチさんはこんなことを言った。
ドゥムキーというのを人はウクライナ民謡のドゥムカから来ていると解するが、これはチェコ語の「考える」という動詞に由来するものだ。
ドヴォルザークは、これから去ろうとしている祖国のこと、渡ろうとしている新しい土地(米国)のこと、人生のこと、いろいろ思いをめぐらしながらこの曲を作ったことだろう。
この曲では、ムーブメント毎に表現がかわるのではなく、一つ一つのムーブメントの中で速くなったり遅くなったりする。それは一つ一つの人生のようではないか。
そんな話をきいたこともあって、六つのムーヴメントをききながら、「良心の囚人」として獄につながれたコチさんが経てきた人生、被災地で思わぬ苦難に直面して大きく変えられた方々の人生・・・ と、ドヴォルザークに導かれながら物思いに耽った。
チェロって哲学的だなあ。
宮城・福島の5か所でのコンサート・ツアーに祝福がありますように。
多くの方がチェロの音色によって希望を与えられますように。
ちなみにこのコンサートに行ったのは、母親が鬼のようにチケットを売りまくっていたから。そして、今回の一連のコンサートの実行委員長をしておられる方は、ICU卒業生でアムネスティのメンバー、そして妻の高校時代の英語の先生だったEさん。妻は何十年かぶりでE先生にお会いすることができ、これも嬉しいことだった。