2011年 10月 14日
Another Obituary ・・・ George Yanagi <柳ジョージ> |
僕が柳ジョージ&レイニーウッドの演奏を生で見たのはたった一度だけだ。
あれは高校の文化祭で8ミリ映画を上映するのに夢中になっていた頃だったから、おそらく1977年だろう。
場所は、横浜スタジアムの建設によって取り壊された、懐かしの横浜公園野外音楽堂。
かなり大きな規模のロックフェスのようなものがあって、僕はひとりでそれに出かけたのだ。
今考えるとすごいラインアップで、僕がはじめてカルメン・マキ&OZや四人囃子の演奏にふれて衝撃を受けたのもこの時だった。実際、この時の四人囃子のパフォーマンスはすごかったなあ。
ジョージさんは、前座というわけではないが、かなり早い順番で出てきたような気がする。題名は覚えていないが、「南の風晴れ~、遠い海から魚があが~る」という、日産オースターのCMで使われた曲を、「CMで使われちゃって」なんて恥ずかしそうにいいながら歌ってくれたな。地元横浜のローカルな話題も多くて。朴訥に放すその姿と渋い歌声が印象的で、「この人好きだな」と思った。
「和製クラプトン」といわれたこともあったが、確かに僕の中では、クラプトンとジョージさんは同じカテゴリーの中に属していた。僕がブルースを好きになったのは、ジョーさんの影響が多分にあるな、今思えば。
僕が持っていたジョージさんのアルバムはみんなレコードだったから、大学を出たあとはほとんど聞くこともなくなっていたが、数年前に無性に聞きたくなってCDを借りてiPodにいれた。やっぱりいいな、と思う。
僕がいちばん好きなのはこの曲だ。イントロも、歌詞も、ジョージさんらしさがよく出ていると思う。
こどもの頃、アメリカ人の海軍軍属と結婚した叔母が磯子に住んでいて、よく遊びに行った。アメリカの香料のプンプンするお菓子がいっぱいある家だった。その頃の横浜は、「フェンスの向こうのアメリカ」の存在感がやたらに強い町だったのだ。そんな記憶とも重なって、この歌が好きなのかもしれない。
今朝、インターネット上のニュース・ヘッドラインで、12日にジョージさんが糖尿病が悪化して亡くなっていたという訃報に接した。
63歳だったそうだ。
ジョーさん、高校生だった僕に、ミュージシャンのかっこよさ、ブルースの渋さを教えてくれてどうもありがとう。
R.I.P.
by boxy-diary
| 2011-10-14 09:06
| 音楽・映画