2017年 02月 17日
ホメオパシーがどう用いられるのか |
久しぶりにホメオパシー関係の投稿です。
ある方から、
「こういうもの(がん患者のための合宿養生塾)があって、その中にホメオパシーが組み込まれているようですが、いかがなものでしょう?」
というメールを頂きました。
合宿の日程をみてみると、多くのプログラムの中であまり目立たないようにではありますが、「ホメパシー問診」というのが1~3日に行われるようです。他のホメオパシー団体の手法と同じであるとすれば、ここで(かなり誘導的な)「タイムライン」などの手法によるカウンセリングが行われて「あなたに効くのはこのレメディです」という処方が行われることが想像されます。
この合宿を指導するのは、日本ホメオパシー医学会という(日本ホメオパシー医学協会とは別の)団体を率いる医師です。
これまでの合宿に参加した方々の感想(名前はイニシャル表記)を見てみました。ホメオパシーに関する感想を書いている方は、それほど多いわけではありません。一つのオプションだったのでしょうか。(宣伝なのですから当たり前ですが)「少しわかってきました」、「よくわかりました」、「興味を持ちました」という肯定的な反応を示している方がほとんどです。以下のようなコメントもありました。
「ホメオパシーは自然治癒力を高める方法だという事がわかりました。これからの時代は生命力を高めるエネルギー医学の時代になる事もわかりました。ホメオパシーは患者さんの話をよく聞いてから処方する所が良いな、と思いました。」
「ホメオパシー 処方して頂き、娘が2日目に服用しながら久保さんのレイキを施術して頂いたのですが、「効いてるみたいですよ」と言って頂きとても感激しました。川越の病院も予約して頂けたので、続けていきたいと思います。」
「帯津先生ホメオパシー 個人面接して頂いた、大切な一粒頂いた日から服用しております。
疲れが出ませんのでパワーアップです。」
「ホメオパシーがよくわかりました。頼ってしまいそう!」
さて、どうなんでしょう。
ホームページから受ける印象としては、西洋医学批判や絶対否定といったトーンはなく、西洋医学の三大治療(手術・抗がん剤・放射線)をやってきたがもうやめたいという方や、それだけではだめだと感じた方が、いろいろな手段を用いて体全体の自然治癒力を高めようとしている。その中の一つにホメオパシーが(そっと?)置かれている、という感じです。
ただ、実際に合宿に参加してみないと、どのような<場の空気>が支配しているのかはわかりません。「ホリスティック医学」なるものの中でホメオパシーがどのように使われているのか。補助的であるのか、あるいは実際のところは中心的であるのか。
この合宿だけのことではなく、すべてホメオパシーの効用を謳うものに関しては、警戒心を持ってしまいますし、また、警戒し続けることが必要だと考えています。端的にいってそれは、ホメオパシーに期待させすぎる指導者・期待しすぎる追従者への警戒心です。
「気持ちを明るく、前向きにする」ためにホメオパシーの偽薬効果を利用する、ということまで否定する気はありません。薬には「効くと思って飲めば効く」という面があるのです。そして、「自然治癒力を高める」ことの意義はわかります。霊的、精神的なものが身体の状態といかに密接に関係しているかは広く認識されつつあるところです。体を単なる器官の集合物のように扱ってしまう西洋医学への幻滅、患者の話をよく聞いてくれない医師への不満、というのもわかります。
ただ、「これで癌は治る」という断言にひかれて西洋医学による治療をまったく放棄してしまって後で悔いるという人が実際に出てきたり、あるいは、薬の副作用を嫌ってホメオパシーを用いる医師に頼った結果が転移の発見が遅れて死に至った話(2016年7月26日の拙ブログ)を聞いたりすると、僕が感じる不安も根拠のないものではない、と思うのです。
「ホメオパシーによるがん治療」と並んで不安なのは、メンタルな病へのホメオパシー利用です。日本ホメオパシー医学会の方針は知りませんが、別の大きな団体に属するホメオパスや、あるいはどこにも属さない独立の(自称?)ホメオパスで、統合失調症の方に精神科で処方されている薬の服用を止めてレメディで治すよう指示する人がいるのを知りました。そんな乱暴で無責任なことをしてよいのか、と怒りを覚えました。
こちらの認定医・専門医リストには、心療内科・精神科のクリニックも見られますが、実際の診察現場においてどのようなことが語られているのか、無関心ではいられません。
「じっくり話をきいてもらうこと」は大事で、それだけで心に安らぎは得られますし、「気休め」としての薬の効果も確かにあるのです。しかしそれが万能であるかのように過信し、他の治療手段をかたくなに遠ざけるようになったら危険です。
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ある方から、
「こういうもの(がん患者のための合宿養生塾)があって、その中にホメオパシーが組み込まれているようですが、いかがなものでしょう?」
というメールを頂きました。
合宿の日程をみてみると、多くのプログラムの中であまり目立たないようにではありますが、「ホメパシー問診」というのが1~3日に行われるようです。他のホメオパシー団体の手法と同じであるとすれば、ここで(かなり誘導的な)「タイムライン」などの手法によるカウンセリングが行われて「あなたに効くのはこのレメディです」という処方が行われることが想像されます。
この合宿を指導するのは、日本ホメオパシー医学会という(日本ホメオパシー医学協会とは別の)団体を率いる医師です。
これまでの合宿に参加した方々の感想(名前はイニシャル表記)を見てみました。ホメオパシーに関する感想を書いている方は、それほど多いわけではありません。一つのオプションだったのでしょうか。(宣伝なのですから当たり前ですが)「少しわかってきました」、「よくわかりました」、「興味を持ちました」という肯定的な反応を示している方がほとんどです。以下のようなコメントもありました。
「ホメオパシーは自然治癒力を高める方法だという事がわかりました。これからの時代は生命力を高めるエネルギー医学の時代になる事もわかりました。ホメオパシーは患者さんの話をよく聞いてから処方する所が良いな、と思いました。」
「ホメオパシー 処方して頂き、娘が2日目に服用しながら久保さんのレイキを施術して頂いたのですが、「効いてるみたいですよ」と言って頂きとても感激しました。川越の病院も予約して頂けたので、続けていきたいと思います。」
「帯津先生ホメオパシー 個人面接して頂いた、大切な一粒頂いた日から服用しております。
疲れが出ませんのでパワーアップです。」
「ホメオパシーがよくわかりました。頼ってしまいそう!」
さて、どうなんでしょう。
ホームページから受ける印象としては、西洋医学批判や絶対否定といったトーンはなく、西洋医学の三大治療(手術・抗がん剤・放射線)をやってきたがもうやめたいという方や、それだけではだめだと感じた方が、いろいろな手段を用いて体全体の自然治癒力を高めようとしている。その中の一つにホメオパシーが(そっと?)置かれている、という感じです。
ただ、実際に合宿に参加してみないと、どのような<場の空気>が支配しているのかはわかりません。「ホリスティック医学」なるものの中でホメオパシーがどのように使われているのか。補助的であるのか、あるいは実際のところは中心的であるのか。
この合宿だけのことではなく、すべてホメオパシーの効用を謳うものに関しては、警戒心を持ってしまいますし、また、警戒し続けることが必要だと考えています。端的にいってそれは、ホメオパシーに期待させすぎる指導者・期待しすぎる追従者への警戒心です。
「気持ちを明るく、前向きにする」ためにホメオパシーの偽薬効果を利用する、ということまで否定する気はありません。薬には「効くと思って飲めば効く」という面があるのです。そして、「自然治癒力を高める」ことの意義はわかります。霊的、精神的なものが身体の状態といかに密接に関係しているかは広く認識されつつあるところです。体を単なる器官の集合物のように扱ってしまう西洋医学への幻滅、患者の話をよく聞いてくれない医師への不満、というのもわかります。
ただ、「これで癌は治る」という断言にひかれて西洋医学による治療をまったく放棄してしまって後で悔いるという人が実際に出てきたり、あるいは、薬の副作用を嫌ってホメオパシーを用いる医師に頼った結果が転移の発見が遅れて死に至った話(2016年7月26日の拙ブログ)を聞いたりすると、僕が感じる不安も根拠のないものではない、と思うのです。
「ホメオパシーによるがん治療」と並んで不安なのは、メンタルな病へのホメオパシー利用です。日本ホメオパシー医学会の方針は知りませんが、別の大きな団体に属するホメオパスや、あるいはどこにも属さない独立の(自称?)ホメオパスで、統合失調症の方に精神科で処方されている薬の服用を止めてレメディで治すよう指示する人がいるのを知りました。そんな乱暴で無責任なことをしてよいのか、と怒りを覚えました。
こちらの認定医・専門医リストには、心療内科・精神科のクリニックも見られますが、実際の診察現場においてどのようなことが語られているのか、無関心ではいられません。
「じっくり話をきいてもらうこと」は大事で、それだけで心に安らぎは得られますし、「気休め」としての薬の効果も確かにあるのです。しかしそれが万能であるかのように過信し、他の治療手段をかたくなに遠ざけるようになったら危険です。
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by boxy-diary
| 2017-02-17 10:33
| ホメオパシー