2011年 05月 26日
Cさん召天から1年 |
教会員のCさんが天に召されて1年がたった。
Cさんは元々演劇をやっていた人なので、聖書の朗読が上手で、聖歌隊で歌うのが好きだった。こどもたちに演劇を教えたいという夢も持っていた。体は丈夫なほうではなかったと思うが、何事も積極的で、普段から、バザーや様々な行事にもよく参加してくれる人だった。
ここ数年の教会での写真を整理すると、そこかしこにCさんの笑顔が写っていて、どうして今はいないのだろうと不思議な気持ちになる。僕らはとても大切な人を失ったのだ。
一人娘Aちゃんや、ご両親、弟さんの負った痛手については言うまでもない。
Cさんが病院に運びこまれた時には、悪性リンパ腫が全身に転移しており、医者にはもはや手の施しようのない状態であった。早期に発見し、適切な治療を受けることができていたなら、5年生存率の高い病気であると後で知って、本当に悔しい思いをしたものだ。今もその思いは変わらない。
Cさんの体をいちばん身近にみていて、どんどん容態が悪化し、体力が衰えていくのを目の前にしていながら、これは体から毒を出しているために起こる「好転反応」だと説き、ただテルミーという温熱療法とホメオパシーによるレメディ投与を続けるだけだった療術師。
自分は人間の体のことがよくわかっているのだと思い込んでいるが、「これは深刻な病気だ」と周りの素人が気づくような体の異変に、気づくことができない。実は何もわかっていない。そんな人が、人の心と体を支配していた。なんて恐ろしいことだろう。
Cさんが召されてから約1ヵ月後、Cさんのお父さんと教会の有志数名が集まって、「A問題を憂慮する会」なるものを結成した。(Aは、療術所名称のイニシャル) 表向きはともかく、治療現場においては現代医療の害毒を説き、病院を怖がるように仕向ける指導者。その異常な世界にはまって命を落とす人がもう出てほしくない、と思ったからだ。
人が落とし穴に落ちるのを見てしまった者は、「ここに穴があります。落ちないようにしてください」と周囲の人に知らせないといけないし、穴を掘っている人を見てしまった者は、そのスコップを取り上げるか、少なくとも「やめなさい」といわなければならない。
会のメンバーがそれぞれ非常に多忙になってしまっているため、作業がなかなか進まないのですが、それでも少しずつ記録を整えている。我々が見たこと、療術師と医学協会に求めていること、指摘していることと、療術師と医学協会の主張していること、その両方を併記して、読む人がそれぞれに判断できるような資料を提供できたら、と考えている。
そうそう、そういえば、3月11日に某テレビ局のディレクターが取材に来て、しばらく話をして、その方が帰ってしばらくしてからあの地震がきたのだった。あの方も、その後は震災関連報道に追われていることだろう。ホメオパシー問題に時間をさけるようになるには、もう少し時間が必要かもしれない。
ホメオパシーにはいくつかの協会組織がある。そのうちの一つの団体が、東日本大震災のあと見せている動きについて、「やや日刊カルト新聞」が報じている。
「●●協会が震災に便乗」 やれやれ、という感じである。
時間のある方は、 その団体のサイトも御覧になるとよい。会長さんご一行が福島、宮城、岩手の県庁を訪ねて会長さんが寄付金目録を渡しておられる時の写真やら、川にレメディを注いでいるお写真やら、いよいよ絶好調の会長さんが最近語っておられる「放射能恐れるな」論、それから4月15日以降は義捐金募金をさりげなく「ホメオパシー基金」募金に引き継いでいる手並の鮮やかさなど、ツッコミどころ満載である。取り巻きの方々から口々に発せられる称賛と憧れと感謝のことばの数々も、こういうものに惹かれる人の心理の研究になるだろう。
どうでもいいことだけど、5月20日に日本記者クラブでセミナーとあるので、「えっ、日本記者クラブが今ホメオパシーを取り上げたの?」と驚いたのだが、記者クラブが呼んだわけじゃなくて、記者クラブの貸し会議場(宴会場かな)を借りてセミナーをやった、という話なのね。さすが!
「やや日刊カルト新聞」といえば、Cさんのお父様が、昨年8月25日のこの記事に非常に共感されたとのこと。この記事の指摘には、頷くことが多いそうだ。
ホメオパシー一般について知りたいと思った方は、このブログもぜひ読んでいただきたい。(コメント欄も含めて。)
kikulog ホメオパシーの特殊性について
ブログをやっておられるのは、菊池誠という大阪大学の先生。(サイバーメディアセンター大規模計算科学部門に属しておられるそうだ。) 科学者の社会的責任として、「ニセ科学の病理とその対策」に取り組んでおられる方。
ついでにもう一つホメオパシー関連の情報がのったブログを紹介。
「天漢日乗」
「ホメオパシーは子どもや旅行者を危険にさらす」@BBC→赤ちゃんから16歳までの子ども39例の内、30例は恐らくあるいは明らかに補完医療の薬剤が関わり、17例は効果が確認されている薬剤を使用せずにレメディを使ったことにより被害 3人の赤ちゃんを含む4人が死亡
イギリスでもこのようなことが起きているとは・・・
Cさんは元々演劇をやっていた人なので、聖書の朗読が上手で、聖歌隊で歌うのが好きだった。こどもたちに演劇を教えたいという夢も持っていた。体は丈夫なほうではなかったと思うが、何事も積極的で、普段から、バザーや様々な行事にもよく参加してくれる人だった。
ここ数年の教会での写真を整理すると、そこかしこにCさんの笑顔が写っていて、どうして今はいないのだろうと不思議な気持ちになる。僕らはとても大切な人を失ったのだ。
一人娘Aちゃんや、ご両親、弟さんの負った痛手については言うまでもない。
Cさんが病院に運びこまれた時には、悪性リンパ腫が全身に転移しており、医者にはもはや手の施しようのない状態であった。早期に発見し、適切な治療を受けることができていたなら、5年生存率の高い病気であると後で知って、本当に悔しい思いをしたものだ。今もその思いは変わらない。
Cさんの体をいちばん身近にみていて、どんどん容態が悪化し、体力が衰えていくのを目の前にしていながら、これは体から毒を出しているために起こる「好転反応」だと説き、ただテルミーという温熱療法とホメオパシーによるレメディ投与を続けるだけだった療術師。
自分は人間の体のことがよくわかっているのだと思い込んでいるが、「これは深刻な病気だ」と周りの素人が気づくような体の異変に、気づくことができない。実は何もわかっていない。そんな人が、人の心と体を支配していた。なんて恐ろしいことだろう。
Cさんが召されてから約1ヵ月後、Cさんのお父さんと教会の有志数名が集まって、「A問題を憂慮する会」なるものを結成した。(Aは、療術所名称のイニシャル) 表向きはともかく、治療現場においては現代医療の害毒を説き、病院を怖がるように仕向ける指導者。その異常な世界にはまって命を落とす人がもう出てほしくない、と思ったからだ。
人が落とし穴に落ちるのを見てしまった者は、「ここに穴があります。落ちないようにしてください」と周囲の人に知らせないといけないし、穴を掘っている人を見てしまった者は、そのスコップを取り上げるか、少なくとも「やめなさい」といわなければならない。
会のメンバーがそれぞれ非常に多忙になってしまっているため、作業がなかなか進まないのですが、それでも少しずつ記録を整えている。我々が見たこと、療術師と医学協会に求めていること、指摘していることと、療術師と医学協会の主張していること、その両方を併記して、読む人がそれぞれに判断できるような資料を提供できたら、と考えている。
そうそう、そういえば、3月11日に某テレビ局のディレクターが取材に来て、しばらく話をして、その方が帰ってしばらくしてからあの地震がきたのだった。あの方も、その後は震災関連報道に追われていることだろう。ホメオパシー問題に時間をさけるようになるには、もう少し時間が必要かもしれない。
ホメオパシーにはいくつかの協会組織がある。そのうちの一つの団体が、東日本大震災のあと見せている動きについて、「やや日刊カルト新聞」が報じている。
「●●協会が震災に便乗」 やれやれ、という感じである。
時間のある方は、 その団体のサイトも御覧になるとよい。会長さんご一行が福島、宮城、岩手の県庁を訪ねて会長さんが寄付金目録を渡しておられる時の写真やら、川にレメディを注いでいるお写真やら、いよいよ絶好調の会長さんが最近語っておられる「放射能恐れるな」論、それから4月15日以降は義捐金募金をさりげなく「ホメオパシー基金」募金に引き継いでいる手並の鮮やかさなど、ツッコミどころ満載である。取り巻きの方々から口々に発せられる称賛と憧れと感謝のことばの数々も、こういうものに惹かれる人の心理の研究になるだろう。
どうでもいいことだけど、5月20日に日本記者クラブでセミナーとあるので、「えっ、日本記者クラブが今ホメオパシーを取り上げたの?」と驚いたのだが、記者クラブが呼んだわけじゃなくて、記者クラブの貸し会議場(宴会場かな)を借りてセミナーをやった、という話なのね。さすが!
「やや日刊カルト新聞」といえば、Cさんのお父様が、昨年8月25日のこの記事に非常に共感されたとのこと。この記事の指摘には、頷くことが多いそうだ。
ホメオパシー一般について知りたいと思った方は、このブログもぜひ読んでいただきたい。(コメント欄も含めて。)
kikulog ホメオパシーの特殊性について
ブログをやっておられるのは、菊池誠という大阪大学の先生。(サイバーメディアセンター大規模計算科学部門に属しておられるそうだ。) 科学者の社会的責任として、「ニセ科学の病理とその対策」に取り組んでおられる方。
ついでにもう一つホメオパシー関連の情報がのったブログを紹介。
「天漢日乗」
「ホメオパシーは子どもや旅行者を危険にさらす」@BBC→赤ちゃんから16歳までの子ども39例の内、30例は恐らくあるいは明らかに補完医療の薬剤が関わり、17例は効果が確認されている薬剤を使用せずにレメディを使ったことにより被害 3人の赤ちゃんを含む4人が死亡
イギリスでもこのようなことが起きているとは・・・
by boxy-diary
| 2011-05-26 22:56
| ホメオパシー