日本学術会議の会長談話について |
行った先は、車山、美ヶ原、女神湖、白駒の池など。妻のリクエストは、マツムシソウなどこの季節に野に咲く花々を愛でることだったので、その目的が達せられてよかったです。
水曜朝早く、携帯にメールが入り、日本学術会議の会長談話が朝日新聞1面、3面に大きく取り上げられたことを知りました。早速、宿のロビーにあった新聞を読みました。ホメオパシーに科学的根拠なし、と断じていますね。通常医療から患者を遠ざける懸念がある、ということが論じられています。この点はわれわれにとって非常に重要で、よくぞ言ってくださったという感じです。これは「懸念」にとどまりません。悲しいことに、もう既に治療現場で起こってしまっているのです。
学術会議の権威というのはすごいものがあるようで日本医学会、日本医師会、日本獣医師会なども次々と学術会議会長談話への賛同の意を表明しました。
そこらへんの公式サイトへのリンク一覧をここにはって、まだ新聞報道をお読みでない方々に読んでいただこうと思いましたが、それよりも、このサイトをご紹介するのが良いでしょう。中味がみんな載ってます。かねてより、ホメオパシーの問題について大変わかりやすく、また詳しい解説を掲載してくれているブログです。
ぐり研ブログ 「荒唐無稽」学術会議がホメオパシー完全否定 日医も全面的同意を表明
ぐり研ブログ ホメオパシー 問われるその社会的責任
長野から帰宅してみると、教会の留守録テープにたくさんメッセージが吹き込まれていて驚きました。テレビ局が夜のニュースで、学術会議の談話を取り上げる際に、被害者の声が欲しかったようで、二つの在京キー局の報道部からの電話も含まれていました。まあ、僕が帰ってきた時間にはもう遅かったのですが。
ここまで完全否定されてしまったホメオパシー業界の人たち、特にカルト的な傾向を帯びている、反西洋医学の傾向が強い団体がどう出るか?
このことを契機に、路線修正がみられればよいのですが、逆に、"無理解な世間"に対する反発を強め、いよいよ自分たちの閉鎖的世界にこもって、反社会性や反西洋医学的攻撃性を強くしなければよいのだが・・・・という心配がないではありません。
ホメオパシー批判をする側にも、批判される側にも、自己抑制と賢明さと思いやりが必要なんじゃないかな、と思ったりしています。
ところで、8月18日の小生の日記に対してコメントをくださった皆さん、どうもありがとうございます。一つ一つにお返事できませんが、ちゃんと読んで、心に留めております。
僕が牧師だからでしょうか。「宗教だって同じことをしているんじゃないか」という批判が出てきます。それについてのみひとことレスポンスを。
もし今回われわれが知った悪質なホメオパスと「同じことをしている」例に僕が遭遇したなら、それが何であろうと同じように批判するでしょう。「宗教はよしとする。よって、ホメオパシーの事例も批判しない」という態度は取りたくないなぁ、と思います。それが代替医療だろうと、ニューエイジだろうと、新興宗教だろうと、新々宗教だろうと、伝統宗教の中のカルト化したものだろうと、ジャンルといいますか、表に掲げている看板は関係ないのです。
似非カリスマのヒーラーが、癒しを求めてくる者との支配ー服従関係を人為的に構築し、自分の影響力を巧みに行使して、自分にのみ依存させ、(明示的にであれ黙示的にであれ)病院へ行ってはいけないのだと思わせるなら、そしてその結果、患者/信者/顧客が痛手を負わされるのなら、僕はそれに対して「そんなことやめなさい」と言うべきだと思います。それは人間の尊厳を損なう行為だからです。僕の信じる神様は、他者の尊厳を傷つけること、小さい人や弱い立場にある人を食いものにすることに断固「NO!」を言う神様です。神様がつくられた一つ一つの命。それを弄ぶようなものは、看板が何教だろうと何療法だろうと、ストップをかけなければならない。そう考えます。